巣箱の設置場所
ここは絶対!って場所はありません。
が、高確率で蜜蜂が入居してくれる設置場所を見つける事は可能です。
日本蜜蜂が入るか入らないかの要因を数字で表すと、7割以上が設置場所だと思っています。
ビギナーズラックでたった1箱置いて入る事もあれば、10箱設置しても1つも入らない事だってあるでしょう。
はちみつ農家をはじめ1〜2年目の時は自宅や浦山、畑、田んぼ、知人の土地など、とにかく道路から寄り付きの良い場所に巣箱を設置していましたが、たまたま山の奥に設置した巣箱から採蜜したはちみつの味があまりに美味しすぎて忘れられず、徐々に山奥に設置する巣箱を増やすようになり、今では7割以上の巣箱は山の中に設置するようになりました。
寄り付きの良い場所はどうしても人目につきやすく、残念な事ですが、巣箱の盗難やイタズラを何度も経験しました。
何よりも 地元のおいちゃん達が趣味養蜂で捕獲、移動を繰り返し、椅子取りゲームのような図式になっていたので、そこから抜け出すには山奥に入って行くしかなかったのかもしれません。
結果として今のスタイルを築くことができ、里山の花蜜と、多くの山に咲く花の蜜をたくさん採取できるようになりました。
巣箱の設置場所
正解は分かりませんが、僕の設置方法を紹介します。
福8堂の設置方法
いくら蜜蜂が沢山生息している森でも、物件を見つけてもらわない事には何も始まりません。
蜜蜂は上空から物件を探し、あまり目が良くないと言われていますので、上空からすぐに判別でき目印になるようなところに巣箱を設置すると見つけてくれやすいでしょう。
例えば、大きな木の下、 巨石や岩場、軒下 などランドマークになる場所に設置し、夏の日中に暑い直射日光が当たるような場所は避け、木漏れ日で薄暗く、巣箱の前方は飛び立ちやすく着陸しやすいような開けた場所を好みます。
僕は設置場所探しは年中していますが、2月〜3月の少し暖かくなった時期に設置したい場所の近くに咲いた花をよく観察し、日本蜜蜂が訪花していれば、飛べる範囲内に巣がある事は確実なので、可能性アリと踏んで寒い時期に巣箱を運び仮設置しておきます。
巣箱を設置する時に僕が一番心がけているのは、蜜蜂目線になることです。
蜜蜂目線と言っても僕が勝手に蜜蜂目線だと思いこんでやっています。笑
想像してみてください。
気持ちよく目覚め、玄関を飛び出すと爽快な空から降り注ぐ光と美しい景色「よーし!今日も1日やってやるぞー!!」って気持ちになりますよね。
人間も蜜蜂も同じです。
日本蜜蜂がストレスなく安心してくれせる環境。そーいったところを探しましょう。
不人気な場所
・木や枝、障害物で遮られひらけていない。
・真夏に1時間以上続けて日の当たる場所で、特に日差しの強い午後から西日が直射しているような所に設置した巣箱を選ぶ蜂群はいません。
・湿度が高く、カビっぽい。巣箱内にナメクジが住んでしまうようなところはNG
・年中風が吹き付け、巣箱がずれたり屋根が飛んでしまうような場所。
・庭に巣箱を設置して玄関には虫コナーズや蚊取り線香。
・設置がしっかれできておらず、巣箱がグラグラしていたり、傾いている。
・高圧電線や太陽光パネルの近く。
設置してからが勝負
僕の住む玖珠町では桜が散ると同時に分蜂が始まり、水木の花が咲く頃に落ち着きはじめます。
巣箱は設置して終わりでは無く、そこからスタートです。
敏感に変化を感じる
桜が咲く頃になるといろんな植物も新しい芽や葉が勢いよく成長していき、2週間もすればあっと言う間に景色が変わり、落葉していた時は目の前が開けていたのに、葉が茂ったら四面楚歌なんてことはよくあり、その逆もあります。
巣箱を前後左右上下と微調整したり、枝や草を剪定して巣箱を見つけてもらえる工夫をしましょう。
枝や草を切り落とす時は必ず「ゴメンね」と一言声をかけて下さいね。
また蜘蛛やアリ、他の蜂が蜜蜂よりも先に巣箱に入居していることも多々あります。
そー言った場合、僕は「ゴメンね。日本蜜蜂用の物件だからあなた用じゃないの。家族や友達にも言っといてね!」と声をかけて遠慮してもらっています。笑
数射ちゃ当たる
偉そうに書きましたが、僕はとにかくいたるところに沢山設置しているだけです。
しかし沢山設置する事により得られる情報量は大きな経験値となります。
自分で経験した事が、答えとなります。